洞爺湖周辺のおすすめスポット
40年という時間の重さは、長いようであっという間。
若い頃に見た景色の記憶はところどころ薄れていたのに、洞爺湖へ戻ってきた瞬間、
まるで時間が巻き戻るように、空気の匂いも風の音も身体が思い出しました。
帰ってきてみて気づいたのは、
「昔と変わらないところ」と「大きく変わったところ」が、
洞爺湖には心地よく混ざり合っているということです。
そんな“ふるさと回帰組の私”だからこそ伝えたい、
今、訪れてほしい洞爺湖周辺スポットをまとめました。
◆ サイロ展望台(北海道虻田郡洞爺湖町成香3-5)
変わらない湖の青さ、戻ってきたと感じる瞬間
40年前と同じ位置に立っても、見える景色は今の自分に寄り添うように新しい。
サイロ展望台から眺める洞爺湖は、やっぱり特別でした。
青く輝く湖面、中島、有珠山、昭和新山が並ぶ壮大なパノラマは、
“ああ、帰ってきたんだな”と胸がじんとする瞬間をくれます。
お土産コーナーの充実ぶりや、カフェ「バルハー」の登場など、
昔より便利で楽しいスポットへ進化。
懐かしさと新しさの両方を味わえる場所です。
◆ とうや湖ぐるっと彫刻公園・洞爺湖芸術館
(北海道虻田郡洞爺湖町一帯 / 洞爺町96-3)
自然とアートの融合は、時の流れに気づかせてくれる
若い頃は「湖は湖」としか思わなかったのですが、
大人になってから歩く洞爺湖は、すべてが表情豊かです。
52kmの湖畔に点在する彫刻たちは、風や光によって見せる顔がまるで違う。
40年経った今だからこそ、
アートと自然が寄り添う姿に、心が落ち着くように感じます。
洞爺湖芸術館では、砂澤ビッキの作品をはじめ多彩なアートに触れ、
観光地とは思えない静けさの中で深く向き合える時間が持てます。
◆ 支笏洞爺国立公園ビジターセンター・火山科学館
(北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉142)
過去の噴火の記憶はふるさとの大切な歴史
40年前、有珠山の噴火は「遠くの出来事」ではありませんでした。
帰ってきて、再び火山科学館の映像や資料を見たとき、
当時の空気を思い出すような感覚がありました。
ビジターセンターでは火山と共に生きる地域の知恵や、
自然との向き合い方を改めて学べます。
火山科学館の体感型展示は迫力満点で、
噴火の記録を未来に伝える大切な場所だと感じます。
“洞爺湖に帰る”とは、こうした歴史と向き合うことでもあるのだと実感します。
◆ 昭和新山(北海道有珠郡壮瞥町昭和新山184-5 周辺)
若い頃よりも強く感じる、大地の力
麦畑がそのまま山に変わってしまったという事実は、
子どもの頃に聞いても理解できませんでした。
しかし40年ぶりに訪れてみると、
赤茶色の岩肌や立ち上る地熱を前に、
自然の力強さに圧倒され、同時に励まされるような気持ちになります。
ロープウェイから見下ろす昭和新山と洞爺湖の姿は、
人生の節目にこそ見ておきたい景色です。
◆ レークヒルファーム(北海道虻田郡洞爺湖町花和127)
大人になった今こそ美味しいと感じる、ふるさとの味
40年ぶりに食べたジェラートは、
“あれ、こんなにおいしかったっけ?”と思うほど衝撃でした。
しぼりたて牛乳の香り、季節の素材のやさしい甘さ、
広がる景色、花畑、牧草地。
昔とは違う視点で、自然と味をゆっくり味わえる自分がいました。
体験メニューや動物とのふれあいもあり、
ゆったりした時間が流れる大好きな場所です。
◆ 洞爺湖温泉 イルミネーショントンネル
(北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉)
帰ってきた私を包み込む“冬の光”
40年前にはなかった冬の風物詩。
イルミネーショントンネルを初めてくぐったとき、
懐かしさとも違う、胸があたたかくなる不思議な感覚がありました。
70mの光のトンネル、9mの光のドーム。
まるで洞爺湖が「おかえり」と言ってくれているように感じたのを、
今でも忘れません。
ふるさとに帰るということ
40年ぶりに帰ってきた洞爺湖は、
“ただの観光地”ではなく、
過去の自分と今の自分が交差する場所でした。
懐かしさ、発見、安心感、未来へのエネルギー。
それらが全部混ざり合って、
この土地の魅力をより深く感じられるようになりました。
私が歩いたこの景色たちが、
誰かの旅のきっかけや癒しになれば嬉しいです。。
北海道民のソウルスイーツ「わかさいも」
――忘れかけていた味と、時の流れと。――**
北海道で育った人なら、一度は口にしたことがある「わかさいも」。
実はいもを使っていないのに“焼きいもらしさ”を表現した、不思議で懐かしいお菓子です。
昆布を繊維に見立て、白いんげん豆から丁寧につくられたわかさいもは、
いわば北海道民の“心の味”。
宣伝には北海道出身の俳優・小日向文世さんが登場し、
その姿をテレビで見て「そうそう、これこれ!」と
思わずうなずいた道民も多いはずです。
■ あの頃の記憶にあるのは、
「わかさいも・いも天・有珠まん」くらいだった
あなたの記憶にもあるように、
昔は“わかさいも”といえば定番の数種類しかなかった時代がありました。
ところが今は、わかさいも本舗のラインナップは驚くほど多彩です。
- 季節限定の冷凍皮付きスイートポテト
- 北海道あんぽてと
- わかさいもショコラ
- ふんわり系のおまんじゅう
- お土産の定番「じゃがポックル」
…など、若い世代も楽しめるスイーツが勢ぞろい。
時代が移り変わっても、
“あの素朴さ”を大切にしながら新しい味を生み出している。
そこに、わかさいも本舗のすごさと懐の深さを感じます。
■ 大きくなったわかさいも本舗と、
なくなってしまった近所の製菓屋さん
ふるさとに40年ぶりに戻ってくると、
その変化に思わず立ち止まる瞬間があります。
わかさいも本舗は立派に成長し、
新しいお菓子を次々生み出す北海道を代表する企業に。
一方で、昔は当たり前のようにあった「近所の小さな製菓屋さん」は、
気づけばほとんど姿を消してしまった。
店の前を通れば思い出のひとつでも残っていそうなのに、
何が好きだったのかさえ、記憶はもうぼんやり。
それがまた、時の流れの切なさを語っているようです。
■ それでもやっぱり、帰ってきて思う
――北海道の味は、北海道で食べるのがいちばんうまい。
わかさいもの素朴な甘さは、
帰ってきたあなたの“ふるさとの記憶”をそっと呼び起こしてくれるはずです。
大人になった今は、
新しいスイーツにも出会える楽しさがあり、
むかしの味を思い出す温かさもある。
それは、ふるさとに帰るという体験そのものなのかもしれません。


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